各メタファリカのお話
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Gauzewiga Rhaplanca
黒き種を育てる盲者の手記
緑育たぬ世界で一人の娘が種を見つけた。
恐らくなにかの種だろう。
喜んだ娘は乾いた大地にそれを植え、今か今かと芽吹きを待つ。しかし与えられる水はかぎりがあった。飲み水さえも分け与えてできる限りのことをした。人々はみんな揃ってバカにしては、地面を蹴った。
それでも彼女は構わない。
水を与え、時には詩を謳い、まるで子を護る母のようにただひたすら小さな幸せを待ち続けた。
...どれくらい時がたったのだろう
一度も顔を出すことのない芽。
ついに娘は倒れてしまった。
最後に娘は「どうしてなの」とポツリと言い、息を引き取った。
娘の亡き骸の傍らにあったのは、、、
ただの黒い石だった。
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Lusye Rhaplanca
黒き芽を育てる盲者の手記
これは体の動かない少年と希望に溢れる村娘の話である。
少年と少女は雨の降らない土地で命よりも大切に育てていた芽があった。
それはその世界で唯一の希望であり二人の幸せだった。少年はその様子を静かに見守っていることが多かった。
少女は、芽の育ちが悪くなった気がする。と思うようになります。それに対して少年は、
「君の詩があれば大丈夫、さあ謳って」と言います。すると芽はすくすく育ち、数年後には大きな樹となり世界中の人々を潤したそうだ。
という妄想に吞まれたとさ。
この話は初めから始まってなどいなかった。
少年は既にこの世の者ではなかった。
少年の死は少女の心を壊し、
少女は、【そこに少年がいる】と仮定
することで辛うじて生きていただけだった。
墓石と少女の間にあるのは、
【枯腐って黒くなった植物のようなもの】
今でも聞こえるだろう?
【誰かに話しかけるように笑い謳う
ひとりの少女の声が】
これは墓石【体の動かない少年】と
正気を失った少女【希望に溢れる村娘】
の話である。
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Ween reveris Rhaplanca
黒き果実を育てる盲者の手記
不思議な力を持つ少女の話。
少女は小さな苗を育てている。
しかし、食べるものも飲み物も少ないこの時代。
人々は誰も手伝いはしない。
それどころか苗は人々に踏み潰され折られしまい
もう立ち上がることは無かった
それでも少ない水を与え続けた。
でも、とうとう苗は腐り、二度と立ち上がることは無かった。
それでも水を与え続けた。
毎日、私利私欲のために争い人の命が消えてゆくのを見た少女は
「幸せの実を紡ごう」と決意した。
小さくても構わない。
遠い昔に枯れた木に謳いかける
すると、手のひらに収まるほどの小さな果実が実った。
彼女はそれを毟り取り、願いを掛けまた、謳う。
数少ない人たちのために謳い、一つ一つ願いを込めて
実をむしり取る。
何日も何日も繰り返し、次第に争う声は聞こえなくなり
夜のような静寂が訪れた。
そこにはひたすらに眠り続ける人々に微笑む少女がいる。
彼女はは最後の実を紡ぐ
「結局私もこの人たちと変わらない。
これもまた、私欲のために謳い続けたのだ」と
最後の実をむしり取った。
少女はただ静かにその場で眠るのだった。